過去の出来事を思い出すと、達成したことよりも、達成しなかった事の方が覚えているということがあると思います。
例えば、解けた問題よりも解けなかった問題を覚えている。
片付けた所より片付けられなかった所が気になって覚えている。
といったことがあると思います。
このような心理を使って物事を達成するのに、いろいろな所で使われているテクニックです。
やる気を起こし何か達成したい時に使えるので、知っていて損のないテクニックだと思います。
目次
ツァイガルニック効果とは
そのテクニックは、ツァイガルニック効果というもので、未完結の物事に対して、完成させたいと強く思う心理のことです。
人は、物事を途中で止めると気になって仕方がなくなり、完璧にしたいという気持ちになります。
ツァイガルニクが行った実験
ロシアの心理学者ツァイガルニクが行った実験は、
被験者を2つのグループに分けて、工作や計算問題などの課題を20つ与えました。
Aグループには課題を最後まで行わせ、Bグループには課題を途中でストップさせました。
両グループに課題について質問し、記憶度をチェックしました。
結果は、Aグループよりも、Bグループのほうが、約2倍も課題について覚えていたのです。
正確には、大人が1.9倍も覚えていて、子供は途中で終わらされた課題のことしか覚えていないという結果が出ました。
仕事や勉強にみられるツァイガルニク効果
完璧にこなそうとする人は、仕事や勉強で切りのいいところまでと考えがちですが、逆効果になります。
中途半端な所で休憩や翌日に持ち越す方が、気になってしまい休憩後のエンジンもかかりやすくなります。
完結したものへの記憶は薄れ、一からとなるとエンジンはかかりにくいものです。
あえて中途半端な状態で休憩や翌日への持ち越しをするといいでしょう。
人は未完結の仕事にやる気を燃やし、何かを達成しようとする時には緊張し、目標が達成すると緊張は解消されるからです。
連続ドラマや連載漫画などにみられるツァイガルニク効果
連続ドラマや連載漫画なども、「えっ この先どうなるの?」と気になるような所終わるのも、ツァイガルニク効果です。
記憶に残りやすく、次が気になるので、また見たくさせているのです。
連載の小説家や漫画家は、この効果を非常に意識して作品を作っています。
継続して読んでもらうために、ツァイガルニク効果を意識して書いてみましょう。
ゲームであるあるツァイガルニク効果
一時期コンプリートさせるゲームで課金をする人が増え、問題になったことがありましたが、ツァイガルニク効果を使って、揃えたい、完成させたい心理を狙ったものです。
ゲーム作成者は、ツァイガルニク効果を取り入れて作成しています。
中途半端に終わるように設定し、完成したいという欲求につけ込んで、課金させるようにしているのでしょう。
ゲームをしている人は、課金のしすぎに注意しましょう。
日常生活にみられるツァイガルニク効果
掃除や片付けをする時に、やり始めてしまうと、あそこもここもとやり進めたことはないですか?
部屋全体、家全体を片付けたり掃除しないと、中途半端で強く記憶に残るからです。完成させたいという欲求から進めてしまうのでしょう。
掃除や片付けが嫌いな人も、やり始めて中途半端な状態になると、案外キレイにしてしまうと思いますよ。
恋愛で起こるツァイガルニク効果
たくさんありますが、一部を紹介します。
失恋の記憶が根深いのは、達成しなかった心残りとして、ツァイガルニク効果が働いていると言えるでしょう。
結婚というのが目標になっている人が、結婚した途端、緊張感がなくなり気持ちの低下が現れる人も、ツァイガルニク効果と言えるでしょう。
結婚を目標にせず、結婚後の人生設計をしておくといいでしょう。
デートでも結婚でも、中途半端な状態を作っていくと、もっと先が知りたい、この先が楽しみとワクワク感や緊張感が保てるでしょう。
例えば、USJに行って全部のアトラクションを回ってしまえば、なかなかまた行こうという気になりませんが、中途半端で帰って来ると記憶に残り、また行きたいと思ってしまうものです。
デートで「〇〇はお預け!また次回に…」
な〜んて、そんな別れかたをすると、次回が楽しみで早く会いたい気持ちになりますよね!
やる気を起こして何か達成したい仕事や趣味や恋愛、日常生活に活用出来るツァイガルニク効果を是非試してみてはどうでしょうか?
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