偶然は必然?偶然には意味がある!ユング心理学のシンクロニシティ 

幸せなカップル 潜在意識

日常生活の中で、ただの偶然ではない出来事を体験した方も多いと思います。

ユング心理学では、世界の出来事には、自然科学では証明しきれない関係があると言っています。

 

 

意味のある偶然(シンクロニシティ)

 




ユング心理学の共時性(シンクロニシティ)とは、日本語でのわかりやすい言葉でいうと、虫の知らせが近い表現でしょう。

 

私の体験でいうと、

電話をしようと思っていた相手から電話が掛かって来た。

夢に出て来た相手にばったり会った。

ある人の話をしていると、ちょうど話しているその人が来た。

人と会う時に、自分と同じ服を着て来た。

同じ日に、違う人から同じ映画の話をされた。

 

このように,ある出来事(原因)に対して、結果の因果関係を証明できない出来事をユングは、意味のある偶然(シンクロニシティ)と呼びました。

 

意味ある偶然とは、原因と結果のつながりを説明することが難しく、単なる偶然と考えるには、かなり確率が低い出来事ということです。

 

ユングの偶然体験

 

 

ユング本人も非常に印象深いシンクロニシティ体験をしています。

 

それは、ある女性が心理療法のひとつである、夢について語っていた時の出来事です。

彼女が「黄金のコガネムシを受け取った」という話をしていた最中、窓の外でコツコツ音がするので、ユングが窓を開けてみると、実際にコガネムシが部屋に入ってきたそうです。

二人がいた部屋は薄暗く、明るいところへ導かれるコガネムシが入ってくるのは考えづらい状況だったのだと言っています。

 

治療を受けていた女性は、頭の固い人だったのが、この出来事で、柔軟な考えになりスムーズに治療が進んだそうです。

彼女が変化するきっかけは、科学では証明できない、意味ある偶然(シンクロニシティ)だったのです。

 

私の体験でも、「この場面、覚えがある」といって考えてみると、数日まえに夢で見ていたということがありました。正夢?

 

おそらくあなたも、そのような偶然を体験しているのではないでしょうか?

 

シンクロニシティは集合的無意識によるもの

 




ユングの説明では、人間の心は3つの層に分けられると言っています。

 

1.心の表面に現れている意識

2.意識の下に意識が入り込めない無意識(個人的無意識)

3.個人的無意識の下に集合的無意識

の三層で出来ていると言っています。

 

その3つ目の集合的無意識は、ユングは精神病院で患者の治療をしている時に、ある神話で発見されたそうです。

 

ある一人の患者が頭をふって奇妙な行動をしていたので、「何をしているの?」と聞くと、「太陽にシッポがぶら下がっているでしょ。私が頭をふると、あのしっぽが揺れて、それが風を起こすんです」と

 

ユングは、何か意味があるのだろうと考えました。

 

そして、この患者の言葉が、古代宗教「ミトラ教」に書かれた内容と一致しているのを発見したのです。

 

ミトラ教には、ギリシャ語で「太陽から筒がぶら下がり、その筒が西に傾くと東風が吹く」と書かれていました。

 

その患者は、もちろんミトラ教の事は知りません。

 

古代ミトラ教の信者の心にも、その話をした患者の心にも、同じような何か要素があった。この何かこそが普遍的無意識です。

 

数々の事例を無数に調べていくうちに、人類の心の深い部分に共通して存在し、普遍的なイメージがあるということが分かってきました。

 

その無意識は、深い部分では祖先の記憶だけではなく、現在の人や動物、植物もみんな繋がっているという考えです。

 

その3つ目の無意識は、全人類の観念や知恵が重なり合っている集合的無意識と言われるものです。

 

私の体験では、

「行ったことのない場所の景色なのに、この景色見たことがある」

「知らない道なのに、次の交差点を曲がったところにコンビニがある」

 

など、えっ何で知っているのだろう?と不思議な体験をしたことがあります。

 

そんな経験から、他の人と繋がっているのかな~とも感じられます。

 

意味ある偶然(シンクロニシティ)の事例

 

 

イギリスの船が出航して3日後に難破しました。

 

漂流から3日、通りかかった船に救出されるのですが、この船もまた難破。

 

漂流、救出、難破、を5回もくり返し、20人だった乗組員が130人ほどに、5度の難破という偶然も6度目は更なる偶然に・・・

 

6度目に救出された船客のおばあさんが「息子を呼んで」とうわごとをいっていました。

 

言葉がわからないので、誰か言葉の分かる人を呼んでくださいと呼ばれていったのが、最初の船の乗組員が長い間会えなかったほんとの息子だったという話です。

 

これこそ単なる偶然では説明のつかないシンクロニシティではないでしょうか!

 

日常生活の中で、何がシンクロニシティーなのか?よくわからないという人も多いでしょう。

 

真っ赤な服を着た人を、2人見たようなことは、意味ある偶然とは考えにくいと思います。

 

3回以上続く偶然は、シンクロニシティーと考えた方がいいでしょう。

 

それと、その偶然が起こった時に、自分が何かドキッとしたり、ゾクッとしたりと体感がある時も、シンクロニシティーの可能性が高いと思います。

 

偶然も3回続くとゾクッとするのではないでしょうか?

 

例えば、友達から九州に旅行に誘われて決めかねている時に、テレビで九州の温泉の特集番組が流れていて、翌日九州の友達から電話があった。

 

こんなタイミングよく偶然が続くと、九州旅行に行った方がいいという、サインなのかもしれませんね!

 

偶然を計画的に生み出す 計画的偶然性理論

 

スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱した、計画的偶然性理論は、偶然を計画的に生み出そうとした理論です。

5つの行動指針

1.好奇心 新しい学びのチャンスを模索する

2.持続性 粘り強く努力する

3.柔軟性 様々な状況や偶然に対応する

4.楽観性 予期せぬ出来事をチャンスと捉える

5.冒険心 結果が不確定でも行動を起こすこと

この行動指針を日々努力している人に、偶然のチャンスが舞い込むというのです。

 

幸せな偶然という映画 「セレンディピティ」

 

 

セレンディピティ~恋人たちのニューヨーク~

2001年 アメリカ映画

 

クリスマス前のニューヨークで、クリスマスプレゼントを買いに、主人公の男性が、偶然に同じ手袋へ手を伸ばした女性と出会って、徐々に二人は惹かれ合っていきます。セレンディピティ(幸せな偶然)というカフェでひと時を過ごし、そのまま二人は別れてしまうのですが、偶然にまた二人は再会して、女性は、これが本当の運命(シンクロニシティ)なのかどうかを試してみようと、ある試みを企てます・・・

 

ロマンチックで結構好きな映画です。

 

映画で運命の恋愛、シンクロニシティを楽しんでみてはどうでしょうか?

 

まとめ

 

意味ある偶然を「シンクロニシティ」とユングは言いました。

 

集合的無意識は、全人類と繋がっている。人の持つ心のエネルギーの繋がりで単なる偶然ではなく、意味ある偶然(シンクロニシティ)と言っています。

 

偶然も意味ある偶然と捉えると、日常生活の偶然にワクワクしそうですね。

 

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