ダイエットしたいから甘い物は食べない、禁煙したいからタバコはダメ、忘れ物をしないという否定的な表現を日常していませんか?
起こって欲しくない思いから、そんな言葉や思いが出てくるのでしょう。
しかし思いとは裏腹な結果になることが多いのは、無意識的な脳の仕組みからなのです。
それがどう自分の行動に影響するか、脳がどう反応するのかを説明したいと思います。
思わないようにすればするほど思ってしまう
イチロー選手の名言の一つに
「そう思わないようにする」というなら「そう思ってしまっている」ということです。
そう思わないようにしているのに、そう思っているって不思議じゃないですか?
「甘いものを食べたいと思わないようにする」は「甘いものを食べたいと思っている」
「タバコを吸いたいと思わないようにする」は「タバコを吸いたいと思っている」
ということですよね!
「失敗しないように」と思うことは「失敗すると思っている」になってしまうのです。
わかりやすく言うと、「甘いものを食べたい」と「甘いものを食べたいと思わないようにする」ことは甘いものを食べることに意識が向いているので、同じだと言っているのです。
否定しているのに、思い描いてしまう例として、「黒い猫を絶対に思い描かないでください」
もう一度言います。「黒い猫を絶対に思い描かないでください」
きっと黒い猫が頭に浮かんだと思います。
「黒い猫を思い浮かべないでください」と言われた時、まず黒い猫を思い浮かべてから否定する働きが起こるのです。
失恋した時に早く忘れようと思えば思うほど相手のことを考えてしまうのも、この脳の働きからでしょう。
このような脳の働きを催眠で使っていた、催眠療法家であるミルトン・H・エリクソンですが、のちのミルトンモデルと言われる否定命令という方法です。
脳の働き(潜在意識の働き)なのですが、潜在意識は良い悪いは判断できないのです。
潜在意識の機能は、潜在意識の書き換え方と機能を知って、短期間で成功脳を作ろう!
で解説しています。
否定的表現の恐ろしさ
「○○したらダメ」とか「やるな」と言われるとやりたくなる心理は、やってはいけない事を思い浮かべるからなのです。
「この箱は開けないでね」と言われると開けたくなるのも、開けないでという否定的表現で開けることを思い浮かべて開けたくなってしまうのでしょう。
「浮気しないでね」の否定的表現をすると、浮気を思い浮かべて浮気をしたくなるという事にもなりかねません。
肯定的表現「いつも私だけを想ってね」
「事故しないように気を付けて行ってね」も同じように、事故する場面を思い浮かべてしまうので事故する確率は高くなります。
肯定的表現「安全運転して気を付けて行ってね」
相手を思って言っている言葉なのに、否定的表現をしてしまうと思いとは逆のことが起こってしまいがちです。
仕事でも、「失敗しないようにちゃんとやろう!」と思って、失敗しないように気を付けてやっているにもかかわらず、失敗してしまうのは、自分自身に失敗しないようにと否定的表現を使い、失敗を頭に描いているからなのです。
肯定的表現「上手く出来るようにちゃんとやろう!」
このように私たちはいろいろな所で、否定的表現をしてしまっています。
自分の頭に何を描くか、相手の頭に何を描かすかによって、現実は変わってくるといってもいいでしょう。
物事を上手くいかせたいと思ったら、イチロー選手の名言を思い出して否定的表現を改善してみてください。
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