指導、教育する上で役に立つ心理トレーニングを紹介したいと思います。
ゼネレーションギャップから価値観も変わり、変化の早い時代です。
自分が教えてもらった教育方法では、反発を受けて育たない可能性が高いと思います。
教育の仕方も今までのノウハウやテクニックなどでは通用しないということです。
目次
部下の指導は原則中心
変化に対応出来る原則中心の考えに戻って、スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』を、教育するにあたって参考にしていただければと思います。
原則というのは、どの時代にも通用する不変の真理のことです。
世界的なベストセラーになったので、読んでいる方も多いと思いますが、簡単に説明します。
部下育成でのポイント1 言い訳をする部下への指導法方
第1の習慣は、『主体性を発揮する』
感情に反応するのではなく、自分の価値観にもとづいて論理的に反応し、自分で人生を作り上げていくということです。
もっと簡単に言うと、自分で決めて自分で責任を取る!
という当たり前の事なのですが、日本人は出来ていない人が多いようです。
他の何かに責任を求める(アウトサイド・イン)ではなく、自分に責任を求める(インサイド・アウト)の状態をつくること、つまり他者依存から自己依存の状態をつくることです。
依存から自立に進むために主体性を持たせるということです。
部下に主体性を持ってもらう重要なことは、一番大切な顧客と接するのと同じように、部下にも接することが大事です。
決して感情的に怒鳴ったり、怒ったりしないように注意してください。
例えば、部下が何か失敗した時に、
指示に従わなかったから
(自分が指示に従うように指導していなかった)
勝手に部下が行動したから
(自分が部下に目を届かせていなかった)
部下を指導する時間がなかったから
(自分の時間管理が出来ていなかった)
と部下のせいにしてしまったり言い訳をするのではなく、たとえ部下がほとんど悪かったとしても、環境や状況が悪くても、原因は自分にあり反省をするという姿勢を通して、模範となる上司になりましょう。
主体性を持っている人は、反省と改善をして必ず向上していきます!
向上していくためには、主体性を持つことを徹底的に指導していきましょう。いずれ部下がリーダーシップと取って行くうえでも重要なことです。
まず、この第一の習慣が出来なければ、次の第二の習慣に進んでもあまり意味がありません。
しっかりと第一の習慣を身につけてもらうように指導しましょう。
部下育成でのポイント2 指示待ちの部下への指導方法
第2の習慣、『目的を持って始める』
主体的な人は価値観を持っていますが、その価値観を決める作業です。
ゴールを決める!ということです。
会社で言うと経営理念ですね。
価値観を決める時は、原則を中心に考える必要があります。
部下自信にも、どんな目的を持って仕事をするのか、しっかりとした個人の目標を持ってもらうように指導しましょう。
目的のない社員育成は、ほとんど意味がないでしょう。
目的も伝えず「データをまとめておけ!」と言われても、手を抜いたり、言われたこと以上の事はしないでしょう。
明日大事な顧客に渡す資料なので、データをまとめて欲しいと言われると、手抜きはもちろんしないまでも、言われた事以上の事をしてくれる可能性は上がります。
部下育成でのポイント3 効率が悪い部下への指導方法
第3の習慣、『重要事項を優先する』
重要事項からスケジュールに入れて、優先順位一番が出来るまでは、二番目は放置するくらいの管理が必要です。
目標達成するために必要な仕事を書き上げて、優先順位をつけましょう。
あれもこれも手を出して、何も終わらなかったというより、一番重要な事は終わった!という実績をつくるためです。
時間配分も注意してください!
パーキンソンの法則で言われていますが、本当は30分で出来る仕事でも、スケジュールに1時間と記入していたら、本当に1時間かけてしまうのです。
スケジュールの立て方や管理の仕方を指導し確認していくようにしてください。
部下育成でのポイント4 部下との協力関係を築く指導方法
第4の習慣、『Win Winの考え方』
ここからは、自立した部下との相互依存状態を作り上げる段階です。
あなたも勝ち、私も勝つと言う関係をつくることです。
双方に利益があるように話し合い、決まった結果をはっきりさせておきましょう。
自分さえよければいい、自分が犠牲になればいいという事のないよう注意してください。
縦割り社会の中で、横の繋がりを持ち、お互い協調し合う関係を築くことです。
部下育成でのポイント5 部下を理解するための方法
第5の習慣、『理解してから理解される』
これは臨床心理学者カール・ロジャーズの傾聴の技法が有効です。傾聴の技法は別記事で紹介します。
まずは、相手を理解するためには聴くことです。ただ聞くのではなく、傾聴して真の意味で相手を理解することです。
この理解をするにあたって、電話、メールより、会って話をすることです。
聞くではなく、傾聴の聴くの方だから、本当の意味で理解するためには、耳だけではなく、相手のジェスチャーや視線や表情から、心理や内面までもが読み取れることがあるので会って聴くようにしてください。
(非言語的コミュニケーションの効果)
部下との関係がよくなる方法は、傾聴と覚えておいてもいいくらいです。
部下育成でのポイント6 部下と協力し成果を増大する方法
第6の習慣、『相乗効果を発揮する』
1+1=3以上の関係を築くことです。
これは、1〜5の習慣が出来ているもの同士で発揮されます。
お互い自立して、Win Winの関係やお互いの話を聴いたという前提でということです。
鳥の群れがV字になって飛んでいるのも、羽ばたきで上昇気流に乗ることが出来るからです。
この相乗効果で、一羽で飛ぶ距離の2倍以上の距離を飛ぶことが出来ます。
違う例でいうと、詩+曲=歌
それぞれ単独でも良さはあるのですが、相乗効果で第三の案とも言えるもが出来上がるのです。
漫才のボケとツッコミも相乗効果ですね。
部下育成でのポイント7 常に学習し向上する心を持たせる方法
第7の習慣、『刃を研ぐ』
1〜6の習慣を向上させるために、改善や学びをすること。
常に改善することを心掛けることです。
社会人で1ヵ月に本を一冊以上読む人の割合がかなり低くなっているのは、読書離れという事だけではなく、大人になって勉強しなくなっているという意味もあるでしょう。
刃物も研がないと効率は落ちていきます。
あなた自身も部下にも、改善や学ぶことを忘れないようにしてもらいたいです。
QC(品質管理)活動、CS(顧客満足度)活動、PDCA(継続的改善手法)などの実施をしていくのも方法のひとつでしょう。
まとめ
1〜3の習慣が出来て自立している状態です。
自立した者同士が4〜6の習慣が出来て相互依存状態です。
この原則は、社員教育だけではなく、自己啓発として活用出来ます。
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